LUZの熊野古道案内

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2012年 01月 28日

熊野の旅 寒と言えば…

 寒と言えば昔は「寒ブリ」でした。
 と言っても、戦前はものすごく捕れて、四国・宇和島などでは「鰤御殿」が建ったり、鰤を肥料にしたなんて話もありますが、私が物心ついた頃にはそんな時代は終わっていました。
 「大敷」と言われる巨大な定置網が発明され、鰤の習性も覚えられ、通り道にそれを仕掛けて「一網打尽」という漁法で捕りまくったのと、「養殖ハマチ」の成功で「鰤子」と言われる稚魚を乱獲したのとで資源が急速に枯渇していったようです。
 それを少し反省して、稚魚の捕獲などの規制をやったり、定置網の規模の拡大をやめたりしているようです。

 「鰤」は回遊魚ですから、潮に乗ってやって来ます。
 厄介なことにこの潮の流れは随分変わります。
 広い海を流れるのですし、気分次第で蛇行します。
 潮岬などの半島の所で方向が変わるのは当たり前ですが、海の真ん中でいきなり向きを変えて、熊野灘の遙か沖合しか黒潮が流れない時があります。
 当然、鰤でも鰹でもサンマでも通る場所が変わります。
 鰹やサンマは船の方で追いかけます。
 しかし、定置網は動けません。
 物理的になら少々は動けますが、認可された位置がきっちり書かれていて動かせないのです。
 伊勢エビの定置網などは磯のすぐそばなので船が網を巻き込むことは少ないですが、大敷となると沖合に張ってあるので大型船が巻き込んで航行不能になる可能性もあります。
 だから、海図にも記載があり、びくとも動いてはならないのです。
 潮の流れに合わせて、500mでも動ければ…

 鰤などの好きな音を流して群れを誘導しよう…なんて研究がされていたとか聞いたこともあるのですが、実用化は出来なかったのでしょうね。
 鴨やアホウドリなどならデコイなんて人形を置くだけで寄ってくるとか…
 水中では「イケ鰤」「別嬪鰤」の模型を置いてもそんなに遠くからは見えないでしょうね。

 鰤も「寒」の時期に捕れると「寒ブリ」と呼ばれて高く売れます。
 でも、時期がずれて春先になると「彼岸鰤」と言って値段が下がります。
 血管の中に寄生虫らしき物が出てきて生の切り身だと目に見えてしまいます。
 食べて毒になる訳では無いようですけど、当然値段は安くなります。
 漁師にとっては同じ鰤でも捕れる時期で売り上げがものすごく変わるのです。

 最近では「育ちすぎた養殖ハマチ」が「鰤」の名前ででていますね。
 でも、「本物の鰤」の切り身は照り焼きにしようとしても網をはみ出す大きさなんですけどね。
 うんと贅沢する気にならないと、「天然鰤の照り焼き」は食べられません。
 それと、焼いた後のロースターの掃除も頭に浮かびますしね。
 外でコンロを使って焼くのが一番おいしく、後も簡単ですね。
 何も高い備長炭でなくても、マングローブを切り尽くして焼いている輸入品の炭でもおいしくは焼けます。
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 この使えなくなっている木本港にもここを母港にしている大敷の船が着くはずなのですが…
 そして、こうした流木が流れてその集団が大敷に掛かると…
 海の汚染が見えないうちに進んでいるので、大敷網の汚れがひどくなっているのだそうです。
 内海は少しきれいになったけど、外洋全体が汚れたとか…

 
熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2012-01-28 11:16 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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