LUZの熊野古道案内

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2012年 01月 13日

熊野の旅 木本堤防 3

 木本の堤防は昔から営々として築かれてきました。
 これは昔からこの浜の傍に住むという集落が形成されてきたからです。
 同じように砂利の浜が続いて居る所でも、有馬に入ると集落は少し浜から離れて発達しています。
 今でこそ松が無くなっていますが、結構幅のある「松原」の更に内側に家を建てたのです。
 だからなのか私達の言うような「堤防」は戦後になってから作られ始めたのです。
 私が犬の散歩に有馬松原に行っていた40年ほど前にはまだ半分ほどしか出来ていなかったように思います。
 堤防が無く、波がそのまま松原に入ってもその内側の芋畑とか集落まで届くことは無かったのです。
 少なくとも、高波が届く所には家は無かったのです。
 いまでも、この「有馬松原」は国有地として残されているので、国道の脇だというのに浜の側にはほんの一部しか民有地はありません。
 防風林として保護されていたからですが、幾度となく払い下げて貰って民有化し、町にしようなんてことを言い出した人も出ました。
 その頃の「営林署」はものすごく頑固でしたので無事に守りきられました。
 口有馬と志原尻…松原の両端が民有化された所があることのいきさつは分りません。

 国道42号線が拡幅整備された時にはまだほんの少し山側にも国有地があったのですが、払い下げられて松も無くなりました。
 オークワ有馬店の敷地で今は銀行のATMが置かれている所が最後まで松林が残されていた場所だったと思います。
 その前に、国道拡幅の時に山側に取り残された使い物にならない細い部分が払い下げられましたし、更にその前の戦時中には芋畑を作るために松原が払い下げられました。
 いまでは結構家が建って住宅地になっていますが、私が知っている昭和30年代でも芝園だとか釜の平なんて所は「芋畑」と「桃畑」でした。
 水が無いので芋と桃くらいしか育ちにくかったのです。
 でも、そのおかげで「有馬の桃」はおいしかった物です。

 その頃から日本中が高度成長で変化して家の無かった所に家が建って行ったのです。
 だから、要らなかった堤防も必要になってくるし、一部作れば無い所から苦情が出るし…
 でも、緊急性の問題とか予算の問題で有馬の住宅が浜から離れている所の堤防は遅れました。
 今でも堤防の無い所が残されていますが、木本海岸の対策が一段落したので今年度(平成24年度)から少しずつ工事が再開されることになっています。

 有馬の辺りでも国道の海抜は10m余りあるのです。
 他の日本の海岸線に比べると確かに高波が届かない地形ではあるのですが…
 よその土地の見上げるような堤防より遙かに自然の地形の方が優秀な防波堤になっているのです。

 堤防を作ると、そんなに高くないように見えても海抜14mほどには成ります。
 高さを誇っていた三陸の堤防より高いのです。
 しかし…
 それでも「津波」が歴史上最大級であれば越えてくることになっています。
 30年以内に起こる確率が80%を越えてきた「東南海地震」に備えるにはやっぱり堤防は欲しいですね。
 避難先の高台までは遠いし、途中でうんと低い沼地を横切らなくては成らないし…
 避難できるようなビルもマンションもないし…
 普通は一番安全な有馬周辺なのですが、最悪の事態の時には逃げ場が無い…
 予測ではM9で最大の津波が来ても浸水するのは50Cmから2mとか…
 ちょっと丈夫な建物の二階とか屋根の上なら大丈夫と言うことです。
 決してパニックにならないと言うことが生き残る道でしょう。
 指定ビルなんかでなくても、近所で使えそうな所を考えておくことが大事です。
 何しろ揺れ始めてから5分から10分です。
 500mも1Kmも走れるはず無いのですからね。
 そこが東北の時と違う所です。
 最悪、テレビが地震のことを放送する前に津波がやって来ます。
 公報・防災無線が鳴るより早く来てもおかしくないのです。
 そんな所に住んでいるのですから普段から頭に入れておかなくては…

 随分前からこれを言ってきたのですが、町の人がこのことに耳を貸すようになったのはようやく去年の三月以降です。
 熊野市はまだ公式には何も動きません。
 でも、こんな時に身を守るのは自分自身だし…
 昔式に言えば「日頃の行い」でしょう。
 それと「信心」かな?
 「フダラク信仰」はよした方が良さそうです。
 ここの海がその入り口だなんて言われていますからね。
 本家本元のお寺でも、もう「普陀楽渡海」なんてのを止めているのですから…
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熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2012-01-13 10:33 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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