LUZの熊野古道案内

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2012年 01月 07日

熊野の旅 日が長くなってきました

 旅人にとって「日の長さ」という物は自分では変えられない旅の大きな要素でした。
 徒の時代には一時間にせいぜい5Kmくらいしか進めませんから、朝の出発はうんと早く夜明け前だったとか…
 それでも夜明けが二時間も遅いとなれば朝立ちだっておそくなります。
 夕方だって早々と日が暮れるし、薄暮の時間も短いし…
 提灯持ってなんて言っても長い道中では提灯持参では無理でしょう。

 近代になってくると鉄道での移動が増え、目的地が遠い時は「夜行列車」が有り難い存在でした。
 私などはその時代の人間で、東京に出るのも帰省するのも「那智号」という夜行列車でした。
 東京駅に着くのが少し早すぎて、まっすぐ下宿に行くと迷惑を掛けるので、九段下・神楽坂・若松町…馬場下と歩いて時間つぶしをしたりしました。
 旅行にでる時も上野発の「急行十和田」とか「急行八甲田」なんて夜行でしたね。
 当時の上野駅は啄木の世界で、ズウズウ弁がホームで飛び交っていました。
 忘れられないのは…
 「コノ チューコーハー フグスマヘ ユグガネー」とおじいさんに聞かれたことです。
 三回ほど聞き直して。「この急行は福島へゆくかね?」と言うことだと分ったのですが、こんな簡単なことが聞き取れないほどまだまだ方言が強かった時代です。
 その分、旅の情緒もありましたね。
 なにしろ、土産物売りのおばさん連中に地元の言葉で悪口言われても分りっこないくらいで、半分外国でしたからね。
 私の兄貴のお嫁さんは東京下町の育ちで、ここに嫁入りしてしばらくは、ばあさんが言うことが分らなかったようです。
 旅人にはこうした言葉がわから無いのが「旅先だなあ…」という感慨を与えた物です。
 それが薄れてきてしまうと、「見る物聞く物」の半分が減ったのですからね。
 おまけに「ガイドブック」とか出来過ぎちゃって地元の人に物を尋ねる必要も少なくなったし…

 自分の足で歩いて、自分の目で見ているようで、かなりの部分、お仕着せのルートを楽に移動し、分らない所を本などで調べるのでは無くガイドブックやパンフレットに載っている物を「スタンプラリー」のように探して歩く事になっているのでは無いでしょうか?
 時々書きますように、ひたすらガイドブックに目を落としながら足早に歩くハイカーがかなり見かけられます。
 お金のあるらしい文化人グループは「語り部さん」の説明を要所要所で聞いて、あとはがやがやと雑談しながら次に説明があるまでを集団で歩いている…
 「博物館」ほどには説明する物も無いんですが…
 大勢で一人の語り部さんなんて無理でしょう…
 もう一度戻ってきて地図以外は持たないで、自分の足と自分の五感で熊野古道を味合わないとねえ…
 残念ながら、その道中で「熊野を味わう」て言う要素が見つけにくいのです。
 「熊野古道歩き」の人を相手に「茶店」をやることが無理なだけしか旅人は来ないし金も使いませんからね。

 これからはどんどん日が長くなります。
 矢鱈と先を急がずに…

 「熊野詣」での目的地は「極楽浄土」ですよ。
 せめて目的地に着くまでの「現世」をゆっくり味わってください。
 「かどまつや めいどのたびの いちりづか」 なんて読んだ人も居ますよ。
 峠一つ一つがあちらへの一里塚なのかも知れません。

 お金も六文以上はあちらに持って行けません。道中で使ってください。
 熊野名物「サンマ寿司」を腹一杯食べても1500円も腹に入らないでしょう。
 一泊しても、一晩何十万円なんてホテルはありません。
 田舎の旅籠ですからね。
 客引きも足すすぎのお湯もでませんし、飯炊き女も居ませんけど…
 もはやここでは芸者も居ません。
 下駄を履いて歩き回る町も無いのでゆっくり休めますよ。
 一番高いのはお役所が作った宿泊施設で一泊一人二万円ほどです。民間はその半分以下でしょうね。
 でも、もう「善根宿」という出世払いの宿はありませんよ。

 ちなみに…
 この辺では関東からの旅人を…
 「かんとべえ」と読んだそうです。
 関東の田舎弁の「…するべえ」のベイが耳に付いたので…
 「関東べえ」と呼んだようです。
 何しろ、「伊勢参りとか熊野詣でをしないうちは嫁を貰ってはいけない」なんて風習まで関東の一部ではあったそうですからね。

 どうでしょう???
 それを今の時代に復活して…
 「婚活」にはまず「熊野詣」が必要条件にしては…
 昔は男だったのですが、男女ともにと言うことで配下がですか?
 かつての、「新島」「倉敷」「萩・津和野」なんて所には取り立てて御利益も無いのに女の子が集まり、それを追いかけて男の子が群がったのですから…
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by je2luz | 2012-01-07 11:46 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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