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LUZの熊野古道案内

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2011年 11月 15日

熊野の旅 七里御浜の堤防

 七里御浜の堤防については、「木本堤防」を中心に時々載せています。
 その中でも少し触れてきましたが、海岸の堤防って意外とチョロい物なのです。
 見かけは厚くてどっしりしていても、私が言う「あんこ」状態で薄い皮の中にアンコを詰めたような物が多いのです。
 東北でも破壊された堤防が多く、その中にはこの構造の物の写真も見受けられます。
 結構大きい物の方が全部をコンクリートで作ると大変なので「あんこ」になっている物です。
 お饅頭ならアンコの方が高いでしょうけど、土木の方では詰め物の砂利や土砂の方が格段に安いですからね。

 「まさか、海岸を守る堤防の構造がそんなことなっているはず無いだろう…」と、思われる方も多いでしょう。
 長年工事現場を目撃することも多かったのでそんなのを見てきています。
 何度もその構造故の崩壊も見てきました。
 今回の台風12号でも起きています。
 七里御浜には高波は押し寄せていません。
 流木とゴミは大量に運んできて埋め尽くしましたが、堤防まで押し寄せて砕け散るなんてものではありませんでしたが。波がぶち当たっていないのに堤防が割れてずり落ちるのが少なくとも二カ所は確認できます。
 少し前に載せた「市木川」の導流堤はこの中に入っていません。
 あれで見られるように堤防の根が浅いので、大洪水が一気に流れ出る時に河口部の堤防の基礎を洗い出し、足元が開いてしまい中のアンコが落ちて、皮の部分が自重でずり落ちたのです。
d0045383_9385212.jpg

 真ん中辺の部分がずり落ちた所で、上の縁は左端っこと同じ高さだった訳です。そして、見えている土砂がアンコ部分です。
 これは手抜きでこうなっているのでは無く、最初からコスト削減でこうなっているのです。
 まあ、天場部分などのコンクリートの厚みが足りないなんてのは半ば常識なんですが…
 こんなのを書くし、公共土木にも批判的なので出県業者に嫌われているそうですが、現実と真実は誰かが伝えないとねえ…
 場所は熊野市と御浜町の境、志原川の河口、志原尻です。
 記録的な豪雨でも、昔の水門と道路を兼ねた橋は無事でしたが、近代的な堤防がこのざまです。
d0045383_9452759.jpg

 崩壊した部分のすぐそばまでは砂利の流失を予測したらしい、鋼矢板を打ち込んでコンクリートを流し込んだ防護基礎が見えています。
 この深さは分りませんが、一応今回は堤防を守ったようですが、川の流れの来る部分には無かったようです。
 今は応急処置で土嚢を積んで隠してありますが、前の部分すら自立できないんですからね。
 これが世界の誇る日本の土木事業の現実です。

 こんな構造の堤防が全国に五万とあると思います。
 それがどこにあるか…
 出来ちゃうと分らないのです。
 根の深さなどは工事現場を目撃するでもしないと一般には分らないのが怖い所です。
 今はそんなことは少ないでしょうが、「なれ合いの手抜き」なんてのが発注者と請け負った業者の間にはあったりしました。
 なにしろ、厚みを調べる場所には業者が印を入れてあって、検査する側はそこしか穴を開けないのですからね。
 その場所には箱を作ってきちんと規定以上の厚みのコンクリートが打ってあります。
 議員になる前にどれだけ目撃した事やら…
 この堤防の延長沿いでも見ましたからねえ…
 もう、40年ほど前…
 時効ですね。

 
熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2011-11-15 09:59 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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