『熊野市史』という郷土史…
熊野市が出した刊行物です。
まあ、言うなれば官製歴史書に入る物です。
郷土史を研究していた地元の多くの方々が編集に携わっています。
「主筆」という形で纏められたものでは無いようです。
そのせいもあるのでしょう、資料の羅列になり、物語性とか時代の流れなどの考察部分があまりありません。
「歴史書」では無く「郷土史を覗く手がかり」のような物と解釈した方が良いでしょう。
まあ、この手の出版物を読み物として購入する人は居ないでしょうからこうした物なのでしょうね。
歴史書にはこうした物が多く、一般には取っつきが悪い物です。
私などは「古文書」なんてミミズが這い回りシミが食い破った物を読むことが出来ないので、こうして活字にしてくれてあることはありがたいことです。活字は大体読めますからね。
この本編の大きな物より、私などは「熊野市史年表」という薄い物の方が分りよいです。
これは少し遅れて、平成六年に刊行された物です。
「熊野市史」は縦書き、「熊野市史年表」は横書き…綴じ方が逆です。並べてめくると変な感じもします。
まあ、編集した委員会も名前が違いますしね。
本編は文化人の方が集まって編纂したので興味もそちらに集まったのでしょうね。
「自然現象」「災害」などに関しては記録の収集、記述が少ないようです。
暴れる川、荒れる海との戦いがその郷土を形成する大きな部分だと思われるのですが、記録が無かったのかなあ?
年表の方はそちらの項目がものすごく多いのです。
「奥熊野代官所」の公文書とか、庄屋さんの記録とかではどうなっているのでしょう。
かと言って、私は調べる力も気力も無いですけど…
代官所の普請に今の金で億単位の金が掛かったと記録まであるとかです。
どうだったのでしょうね。
絵描きの「岡本実」さんが書いた「志原尻古潭」とか「金山の史話」などは一人の方が書いた物だし、統一した流れで読みよいのです。
一つの物語的な物ですからね。
もっとも、こうした出版物はほとんど売れず、採算など合いませんけどね。
そして、かく言う私も買わないし…
岡本先生のもご本人からいただいた物です。
そもそも、郷土史部門では門外漢ですから…
熊野市周辺地図です