LUZの熊野古道案内

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2005年 08月 07日

熊野の旅 古道歩きの食べ物 7

 熊野の人が昔から食べてきたものを色々上げてきましたが、茶の湯とか言う風雅なものとは縁遠いところですから、気の利いた和菓子なども発達していません。
 このあたりで他と少し違うのは、端午の節句の時に作るものです。
 『チマキ』はアシの葉などで包んだもので形も中身も変ったところはありません。柏餅にあたるものが『おさすり』と呼ばれるものに変ります。中は特に変っているわけではありませんし、蒸して作るところも同じですが、葉っぱがハート型をしたイバラのようなものの葉を使っています。正式名は知りませんが地元では「おさすりの葉」と読んでいます。大体、柏なるものは生えていませんから柏餅など作れないのです。ちなみに、この「ちまき」と「おさすり」は男児の性器を意味するそうです。日本は元来性におおらかなところですから、山の神が女性だということで祠に木で作った男性器が供えられて居たりします。
 昔から事あるごとに餅をつく風習があります。正月、初午、3月の節句、お彼岸二回、祭り・・・後は家を建てるときの「建て前(棟上)」には沢山ついて張られたばかりの野路板の上に乗り、集まった人たちに『餅撒き』をします。個人の家は当然ですが学校などの公共の建物でもこれは行われます。七五三や厄年の時にも神社やお寺で餅撒きをします。車で移動できる近年ではおばちゃん達が大勢で餅拾いツアーをやっているようです。大きなポケットをつけた特製エプロンが武器です。袋片手では片手しか使えませんが、特製エプロンなら両手が使えます。運が良ければ餅撒き風景に出会えるかも・・・そんな時は遠慮しないで参加してください。歓迎されます。福を分け与えたり、厄を分けてもって帰ってもらう厄払いの意味から始まったものですから・・・
 昔は各家庭で『ヨモギ餅』を作ったものです。早春から道端には無尽蔵に蓬が生えてきますから、それを摘むのが年中行事でした。『春の野に出て若菜摘む・・・』の風景でした。百人一首のように風雅なものではありませんが・・・
 餅の食べ方で少し変っているのは。こんがり焼いた餅をお茶漬けにして食べることでしょうか。『餅のお茶漬け』に使うお茶は当然、熊野の番茶で無いとおいしくなりません。味付けは基本的に塩ですが、醤油を絡めたものを漬ける家もあります。熱々の茶粥に漬けるとこれ又おいしいものです。漬けてから数分間置いて少しお持ちがふやけた時が食べごろです。昔は「おきせ」と言う蓋のついた茶碗を使い蓋をして待ちました。ぐらぐら湧いた餅がジューッと言う位のお茶が良いのですから、急須で入れるようなお茶では味が出ません。この中にご飯を少し入れる家庭もあります。
 特別なお菓子も儀式もないところですが、番茶文化が発達?したようですね。来客があっても夜間で煮出しておいてある番茶を出して構わないのです。
 ご飯の時には勿論番茶です。このお茶はご飯が始まる特にでています。やかんで沸かしてありますからふんだんにお替りして飲めます。
 この風習で育つと、食後にしかお茶のでない所や、食事の時まで緑茶のところには中々なじめません。しかし、こうした風習も段々薄れているようです。

カメラは ツァイス・イコン・イコンタ523/16

by je2luz | 2005-08-07 14:18 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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