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LUZの熊野古道案内

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2011年 10月 24日

熊野の旅 門前町・城下町

 熊野三山は厚い信仰に支えられてきたと言われています。
 大きなお寺や神社の周りには宿屋や土産物屋があって参拝客を相手に商売をして町が出来ていった…と教科書では習いました。
 教科書には出ない部分では、大きなお寺とか大きな神社で「講」なんてのが出来てはるばるお参りに行く所では、行く道では「精進」して旅をするのですが、お参りを済ませると、『精進落とし』などという名目で結構遊んだとか…
 お伊勢さんの「古市」なんてのはその典型かと思います。
 今では、「精進落とし」と言えば「お料理を食べる」なんて事みたいですが、昔の「精進落とし」は女の人を食べる事だったとか…

 熊野三山も「蟻の熊野詣」とまで言われるほど「行列の出来る霊場」だったのかと思いますが、那智以外では「門前町」なんて雰囲気は無いですね。
 那智は確かに「門前町」だし、勝浦温泉あたりは「精進落としの温泉場」って感じですね。
 でも、「新宮」にはそんな面影は無いです。
 私が子供の頃の戦後すぐくらいでも「速玉神社」の前に土産物屋が並ぶなんて光景は無かったです。
 新宮は材木と製紙工場によって栄える「商都」って感じでした。
 「本宮大社」に至っては、わずかに土産物屋と食堂はありますが町にすらなっていません。
 世界遺産に指定される前、さらには国道168号線がまともになるまでは観光客すらまばらだったのですからね。
 その分、本当の参拝者がお参りしていたのでしょう。

 ところで、こうした神社仏閣と言う物、「宗教法人」に成っている物がほとんど全部です。
 広大な面積の中に豪華絢爛な建物が並んでも、「固定資産税」などは課税されていません。
 田舎の市町村にとって数少ない自主財源の「固定資産税」が免除されているのですから、他の部分で商売が成り立たないと…
 他の税金でも「宗教法人」は優遇されていますしね。

 熊野市ではそんなどでかい物はありませんが、中心部にある宗教団体の敷地が免税になっています。
 土地の評価が高く、固定資産税が高いのが自慢なくらいの熊野市で、本来の敷地以外の宿舎なども宗教活動に使う施設と言う事で免税になっているはずです。
 肥大化した自治体会計の中では百万や二百万はたいした比率じゃ無いかも知れませんが…

 もっと大きな物を抱える自治体で、門前町も形成されていない所はあまりメリットは無いでしょうね。
 まあ、御利益はあるでしょうけどね。
 
 近代では神社仏閣より自治体にとってはメリットのあった「企業」も「税金減免」を条件で進出した物が多いです。
 こうした物も、本社は他所で法人税は他所の収入ですし、高給取りの従業員も他所の住所です。
 更に、今では「契約社員」と「リストラ」ばかりで、まともな住民税を払う労働者も居ません。
 下手すると、「若い生活保護受給者」が大量発生する始末です。
 この「城下町」の方がもっと大変な事になっているようです。

 新宮は「巴川製紙」「本州製紙」と川向かい鵜殿村の「紀州製紙」の三つもの製紙工場の城下町でも会ったのですが。今は新宮市内の二つが姿を消しています。
 外貨を稼いでいた「巴川製紙」の跡地は、この地方のお金を吸い上げて行く「ショッピングセンター」に化けています。
 一見華やかですが、経済の実態からするとプラスマイナス大変な差ですね。
 私も若い頃には、この「巴川」にチップを運んだ事もあります。
 林業が壊滅状態で、この地方では、製紙原料の「チップ」を作っている所もほとんどありません。
 ただ一つ生産を続けている「紀州製紙」いや「北越紀州製紙」もチップが地元供給されないのですから、鵜殿に残る意味も少なくなっているでしょう。

 この「紀州製紙」があるので紀勢線に貨物列車が一往復走っているのです。
 これが消えるときには又一つ城下町が消えますね。
 日本国から製紙工場が消えて行く流れのは逆らえないのかも知れません。
 紙がたくさん売れるという事とは別次元の話ですからね。
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熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2011-10-24 10:15 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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