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LUZの熊野古道案内

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2005年 08月 06日

熊野の旅 古道歩きの食べ物、 6

 『シビ』という魚の呼び方は関西では使いましたが関東ではあまり使わないです。マグロのことですがマグロではありません。マグロはシビの中の一つです。もっとも魚の名前はかなりいい加減ですが・・・身の黒くて柔らかい『マグロ』はこのあたりではあまり好まれません。本当に真っ赤な色をした「シビ」が好まれます。
 ここ熊野では冠婚葬祭・宴会・来客何でも「シビの刺身」が出てきます。付け合せのナマスにもシビが入っています。炊き飯(炊き込みご飯)にもシビを使います。シビがなければ始まらないのです。そして、シビを出すことが『御馳走』であり『もてなしの基本』なのです。
 最近でこそ店先に『短冊』のシビが並びますが、昔は『皮付きの固まり』で売られていたものです。この皮付きで来ると当然良くない部分もあります。だから、小さくきってナマスにし、更には炊き飯にしたのです。非常に合理的なやり方です。
 今と違い、そうしたときの料理は仕出しではなく、近所のおばちゃんが総出で作ってくれたのですから、上品な飾りなどはないですが、いかに実用的な料理にするかが大切だったのでしょうね。
 熊野地方は貧しい地域でしたから、芸能なども発展していませんでしたし、茶の湯などという文化もありません。食文化もこれまで紹介してきたように対したものではありません。手間をかけずに限られた食材で作れるものです。
 最近は大敷網にもシビの類が中々かかってくれませんが、昔は結構沢山獲れたようです。それがこの風習を生んだのでしょうね。
 このシビも一山越えただけの飛鳥などでは新鮮なものが届きましたが、それより奥の奈良県吉野郡になると、塩をした『塩シビ』の形でしか入りませんでした。これは刺身にして食べておいしいものではありません。そのため、下北山村の人などはシビを見るとご飯の上に乗せてお茶を掛ける食べ方をします。新鮮なものが入るようになってもこの習慣は残っているようです。
 食生活や文化は昔その地区が置かれていた状況を物語るものです。
 貧しくとも雪国は冬場には働けないので一杯時間があります。それだけに結構手間をかけた料理があったり、民芸品が出来たりしています。
 熊野のように中途半端に暖かいと、冬でも閉じこもることもなし・・・だから手芸品の工芸品などありませんね。
 あるのは、都から中々来れない山又山、大阪湾や瀬戸内にはない明るくて荒々しい海です。それは古も今も変らずに都会人を待っています。たいしたもてなしは出来ませんが・・・

カメラは コダック・レフレックス2

by je2luz | 2005-08-06 14:05 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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