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LUZの熊野古道案内

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2005年 07月 30日

熊野の旅 御浜小石

 かつて、日本円が安かった頃、この熊野から大量に海を渡った産物があります。
 それは七里御浜に転がっている『砂利』です。
 形がよく、傷が無く、色もきれいな物を、一つ一つ手で拾い集めたものです。
 那智黒と同じ真っ黒な石、熊野川流域でもほんの一部だけに露出している真っ白な石、茶色の石、緑がかった石・・・色んな石が集められました。
 神社の敷石になるような大きな物、庭の敷石になる中くらいの物、観賞魚の水槽に使われる小粒なもの、左官材料になるもの・・・様々なものが拾い集められました。
 これらは、一番端の木本海岸から井田海岸くらいまでの七里御浜で拾い集められました。
 夏は暑く、冬は寒い、きつい仕事ですが、お年寄りにでも出来るのでたくさんの人が従事していました。
 重いものなので、少し拾っては道のあるところまで運んで大きな袋に入れる作業の繰り返しです。
 拾い集めた砂利は元締めの砂利採取業者の工場に運ばれ、更に厳しく選別されます。大きさや色により区別され、洗浄、磨き上げられ、物によってはワックス処理されます。
 こうして出来たのが『御浜小石』と呼ばれるものです。
 1$=360円と言う、固定相場時代は、円安を武器にアメリカ向けにも大量に輸出されました。太平洋の向こう側まで流れて行ったのです。それが円の切り上げ、変動相場制導入と続き、1$=200円時代には苦しくなり、100円になり事実上輸出は不可能になりました。
 この図式はなんだか今の中国に似ていますね。
 逆に今では同じような玉砂利がフィリピンなどから輸入されるようになりました。ホームセンターなどで売られていある玉砂利のほとんどは輸入品です。
 時代の変化で、雨の日以外は七里御浜に点々と見えていた小石拾いの人影もほとんど消えてしまいました。そして、元締めの業者さんも今では輸入玉砂利を扱うようになりました。
 七里御浜の砂利自体もダムの影響で新しい砂利の流下が無くなり、どんどん磨り減って小粒の砂のようになって来ています。
 浜の真砂は尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじと五右衛門さんが言ったとか・・・
 今の世にも悪人・盗人ははびこっていますが、七里御浜の真砂は尽きようとしています。


カメラは ウェルタ・ペルレ

by je2luz | 2005-07-30 13:45 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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