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LUZの熊野古道案内

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2011年 06月 30日

熊野の旅 大資本と観光

 昔からの観光地でさえ観光地では大資本などといわれるものはなかったものです。
 かの、「熱海温泉」「湯河原」「箱根湯本」などと言っても、名門・老舗はあっても資本的には大したことの無いもののようです。
 大資本が乗り出すようになって、彼らがやったのは「遊園地」みたいなものを作ることでしたね。
 電鉄会社がお客を取ろうってのが発想の原点だったようです。
 宿泊施設も、大企業がやったのは「儲からない旅館」ではなく「経費で落とせる保養施設」を作ることでした。
 4割ほどの法人税時代に「福利厚生」なんて名目で経費に認められれば、ほぼ4割の補助金を貰ったのと同じだったからです。
 中小企業でも儲かる会社の社長車がベンツになるのと同じ理屈です。
 どうせ税金で取られる金なら「使わにゃ損・損」てことです。

 日本では「観光産業」は何だかんだ言いながら、お上のお助けを頂いてきたことが多いのです。
 極めつけは、「リゾート法」だったのです。
 最初は「宮崎」「三重」「宮城」でしたかの三県でしたが、他の所の不満が噴き出して、指定されたのが29県?まで膨れて、何も出来ないまま終わった政策でした。
 なにしろ、「リゾート施設」を計画すれば、基盤整備の「道路」「水道」などは全部お役所が作ってあげる、地方自治体は誘致のためなら土地も用意してあげましょう…なんて夢の施策でした。
 
 皆さんは、「そんなすごい制度なら希望者殺到だったでしょう?」というでしょうね。
 大手や準大手の東京にあるようなコンサルタント会社、企画会社がもがり付いてきました。
 事業をするためではなく、「コンサルタント料」をむしりとるためです。
 現地にもまともに来ないままで作文を書いて、金文字で「〇〇リゾート開発計画書」なんてのを製本すれば何千万もになるのですからね。
 どうせ出来ないやつですから書くのも気楽なものです。
 候補地が移動したり、中身が少し変われば、又々、役所はそれに応じた「企画書」を大金を出して発注しました。
 どうしてそんなに気前良くやったかって?
 そりゃあそうでしょう・・・
 『リゾート法』なんてのを国が作ったのですからそうした金は国から出てきますからね。
 いや、使わなかったら叱られそうですからね。
 熊野市は指定地でしたから、私もいくつかのコンサルタント会社の作った図面を見ました。

 道の無いところには二車線で道は付くのだし、水道も一般住宅だとあんまり離れた所には中々水はこないのに、こうした企画では10cm級の上水道がただで整備されるなんて話でしたからね。
 水源の無いところでは水源確保までお役所が責任を持つなんて話だったのです。
 それでも、素人の私から見て、「やって行けるわけ無いだろう?」と言うものでした。
 そして、企画には参入してお金を持って帰った一流会社はあっても、事業をやりますなんて言った企業は、地元出身のスーパーの社長が「ゴルフ場だけ」と言うことで名乗りを上げただけでした。
 このゴルフ場も採算など合うはずも無し…
 私たちは、「ゴルフ場の開発工事が中断されるより、あんたとこの店が潰れる方が困る」・・・と、会社に申し入れたくらいです。
 バブルの崩壊もあり、ゴルフ場は出来ないで済みましたけどね。

 「観光立国」「観光立市」など、良く掛け声がかかりますが、実態は…
 大資本が…ファンドの連中が…乗り出すほど、うまい汁は出ないのがこの産業なんでしょう。
 田舎でやるよりは土地が高くても都会の真ん中で…
 これが金儲けの理論でしょう。
 「東京ディズニーランド」に始まった、都市圏での客の囲い込みはすごいですね。
 「大江戸温泉村」なんて、温泉好きを「熱海にも箱根にもやらんぞ!」と囲い込んだのです。
 「白浜や太地や鳥羽に行かなくていいよ!」とどでかい水族館が名古屋と大阪に出来たし…
 入場料が少し高くても、遠くまで走るガソリン代や時間を考えると…
 そして、泊りがけだと昨日の記事の様に海外の方が安い!

 建て前はどうあろうと、田舎は小さな資本でおこぼれをこつこつと…
 「ミレーの落穂ひろい」は百姓の姿ですが、田舎の観光もあんなものかもしれません。
 毎年、他所からのお客さんのために大金を入れていますが、本当にいいことなのかの検証も無いですね。
 吾が熊野市の人口は19500人なんです。
 そして、日本の姿から推測しても、定住者が一時的に数人増えても、三十年もすると、日本国が…

 人口は増えるもの、「経済は成長するもの…
 この神話に何時まですがるのか…
 有識者なんて方々は知っていて夢を振りまいているのでしょうか?
 怖くって目を向けられない…
 これを言うと嫌われる…

 観光は国民の楽しみの一つであって、お客の財布を空にさせようと言うものでは無いでしょう。
 「二度と行くまい丹後の宮津 縞の財布が空になる」
 こんな歌もありますけど…
 西國33箇所の巡礼に出ても一番札所の「紀伊の国那智山青岸渡寺」は良いですが、「西国21番札所 穴太寺」辺りは気をつけたほうが良いのでしょうかね?
 でも、「縞の財布が空になる」と言うのも大都会に勝てないようですね。
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熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2011-06-30 10:22 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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