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LUZの熊野古道案内

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2011年 05月 10日

熊野の旅 台風と熊野

 台風一号が発生したようですね。
 海水温が低めなので沖縄に来る頃には熱帯低気圧に変わるようです。
 日本は台風の進路に細長く横たわっているので昔から随分いじめられてきたようです。
 気候もものすごく変動したようですから、台風なんて出来ない氷河時代みたいなときもあったのでしょうが、日本人が文字で記録を残すようになってからは毎年のように、「大風吹いて家ながさる」とか「大雨降りて川溢れ家々ながさるる」などと言う記述だらけになっています。
 ここ熊野の地などは、昭和時代には「台風銀座」などといわれたくらいですから、代官所などの記録にはやたらと台風の記録があるようです。

 こうした、長年の経験から河川のそばの危ない所や崖の下の危ない所には家を建てない知恵が身についていたようですが、それでも防げなかったようです。
 川岸ぎりぎりまで石垣を築いて田圃を広げ、山腹にも石垣で田圃を作って生きてきたくらいですから、良い場所は農地にしなくては成りませんからね。
 その中で、豪族…後の旧家の類は安全で日当たりも良い所に屋敷を構えていますね。
 集落中の穀物などもそこに集まっていたのですからしっかりしていないと全員が飢え死にすることになりますから、けっして一人だけ安全な所に居た訳では無いのでしょう。
 それが「旦那衆」の役目でもあった訳ですからね。
 それが、近代化の始まりとともに「旦那衆」の社会的な責任意識も低下するし、庶民からも敬う気持ちなどが消えて行ったようです。
 戦後の「農地解放」「財産税」なども追い討ちをかけて旦那衆の没約が始まり、林業不振が止めを刺したようです。
 そして、集落の崩壊に繋がっているようです。
 
 それでも、何処の田舎でも下手な集会場などより旧家のほうが安全な場所にあることが多いようです。
 「耐震構造」などになっていなくても地震には耐えるようですね。
 ただ・・・
 補修管理が行き届かなくなっているので信頼性は薄れているかもしれません。
 それに、何十人分もの炊き出しが出来た台所は改造されてしまいましたしね。
 それでも、台風には安全なことが多いと思われます。
 集落によっては自主的にそんな家に避難することもあるようです。

 大雨には慣れているし、地形的のも雨に強い熊野ですが、地球温暖化で時間雨量が増えてきたようですし山は荒れてきているし…一番困るのは極度に老齢化が進んでしまい避難すら出来ない状況に成りつつあります。
 近年は台風のコースが北によったので直撃は減っていますが、台風は巨大化する予想ですからどうなるのでしょうね。
 適当な大きさのがちょくちょく来る方が本当はありがたいのかもしれません。
熊野の旅 台風と熊野_d0045383_9355915.jpg


 
熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2011-05-10 09:36 | 熊野


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