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LUZの熊野古道案内

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2011年 04月 16日

熊野の旅 木本の地震・津波対策

 私が四半世紀取り組んできた木本町を守る「木本堤防」は七里御浜と陸地を分け、基本的には台風の高波対策用に作られています。
 その高さは海抜約13m…他ではあまり見ないほど高いものです。
 しかし、内側から見ると、3mほどしかないので高く感じません。
 木本と言う町は、荒波の海岸線のあちこちで見られるように、海岸部が高く、背後地のほうが低いのです。
 「天橋立」みたいなものです。
 隣の有馬町からは背後地が沼地になっているくらいなのです。
 私の家は住宅地としては最前線にあります。
 国道42号線をはさんで堤防があり、その裏側は浜です。
 ここで海抜10mほどです。
 ほとんどの海岸線ではこれだけ浜に近い所は、海抜数メートルしかないものです。
 湾の奥で普段の波が静かな所では、海抜2~4mもあれば御の字なのです。だから、今回の仙台などのように津波で水が入り、地盤が少し下がると海になってしまうのです。
 この辺りでも、昔の地震では地盤が2mほど下がったことがあるようです。
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 木本町は荒海に面していますから、台風で海が荒れるとものすごい高波が押し寄せます。
 古文書でも、「大風吹いて家流さる。死人多数」なんて記述が時々あるところです。
 津波での被害は木本では少なく、大泊から先のリアス式海岸の集落が壊滅しています。
 昭和19年の東南海地震でもここは堤防もなかったのに事実上無事だったのです。
 つまり、次の地震もそのクラス、せいぜいマグニチュード9.0止まりであって、津波も海上で6m・7mで収まれば、当時より3mほど高い堤防もあるので問題は起きない筈だったのです。
 そして、南海・東南海・東海の三つの地震が連動して起きても、時間単位のズレ、日にち単位のズレなら精神的に怖いだけで、これまた問題はあまり無いのです。
 しかし、ズレが少なかったり、多少ずれても津波の周期が合致すると大変なことになります。
 これは高校の物理程度で理解できると思います。

 想定が変わってしまったので、リアス式海岸同様、「大地震の時には逃げること!」を皆さんの頭に入れなくてはなりません。
 昨夜、町内の会合があったので、この事を周知に掛かったのですが、単純のおびえているか、意味が分からないかと言う人も見受けられます。
 「テレビでなんて言うたら逃げたらええのか?」
 「工法熊野は逃げよと言う手呉れるんじゃ炉のう」とか…
 東海地震と南海地震ならその時間はあるのですが、東南海は運が悪ければ沖合いで震源の水柱が見えかねないのです。
 『テレビでマグねチユー度とか震源とかが出てからでは遅いんです。まして、津波の高さが発表される頃には下手すると津波は来とるで!』・・・と言っても、ピント粉無い人もいるようです。
 最終的には全く各自の自覚次第と言うのが震源地のそばで暮らす人の生き延びる確率なのです。
 最短で5分、長くて10分と考えておく方が良いくらいの時間しかありません。
 会合に来たのがほんの少しだけです。
 これから先、どれだけ分かってもらえるやら…
 何時まで覚えていてくれるやら…
 「地震、てんでんこ」なんて言葉のある「田老町」でも逃げ遅れて犠牲者がたくさん出たのですからね。

 ここ、木本は「万一の時」の話なのですが、この先の入り江の集落はどうするのでしょう?
 「広報くまの」などに書いても読む訳が無いし、かといって、よそ者の私が説得に行けるような所でも無し…

 四半世紀取り組んで、この先数年で最終的な補強工事がやってもらえそうな「木本堤防」も、「大型台風」と「普通の大地震・東南海地震」にしか備えられません。
 人間の力など小さなものです。
 それでも、他の所が壊滅してもここだけは守られる可能性だけは作れると思いますし、思いたいですね。

 さて、これを何処まで広げようか???
 地元でさえ、「堤防」「潜堤」を理解してくれないのに、他所で葉もっと無理でしょうね。
 単純に目に見える物を作って欲しがるのが一般の人ですし、100mも離れると他人事なんですね。
 なあ、しばらくはパニック状態なので、聞く耳くらい持つかもしれませんが…
 かなしいですね…


熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2011-04-16 09:39 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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