熊野には漁港が沢山ありますから、海産物屋が多いです。
その一つに、「練り物」があります。
「かまぼこ」「ちくわ」「平天」…
私が子供の頃に、「平天」が始まりました。
かまぼこやちくわと同じようなものなのに、油で揚げて別のものにしてしまったのですね。
戦後の食生活改善にも役立ったでしょう。
この辺りでは、「てんぷら」と呼んでいたのです。
食べる時はフライパンで少し焼いて、「ソース」をかけるのがその頃の食べ方でした。
「ハイカラ」に見えますからね。
「カレーライス」???「ライスカレー」が普及したのもその頃ですね。
「ハウス即席カレー」なんてのが出て、「オーリネンタル カレーエ」なんて歌が流れ、「インド人もびっくり!」なんて・・・
私の家の近所、今は熊野市駅から国道に出る交差点の当りに「平天工場」が出来ていました。
「食品工場」と言っても、今のように虫一匹入らないような建物ではなく、トタンで囲ったバラックで、てんぷら油の臭いがむんむんしていました。
でも、美味しかったですね。
木本の練り物屋さんでは「新兵衛屋」さんが老舗です。
ちくわ・かまぼこ・平天などを作ってきましたが、そこの作る「あつやきかまぼこ」が木本の特産品でした。
12cmほどの真四角で真ん中が盛り上がった黄色いかまぼこでした。
一見、卵の厚焼き風だったように思うのですが、近年ではまっ黄色のが見かけられないような気もします。
かまぼこだって昔は背中が赤いのが多かったのに今では正月とか以外は派手な着色がなくなりましたからね。
私などは「新兵衛屋さん」と呼びますが、会社の名前は「浜地屋」です。
商標は「新兵衛屋」ですからその方が通りが良いです。
本来の「練り物」は日持ちがしないし、痛むと怖いものなのですが、今は、真空パックされているので日持ちして土産物や通信販売に向く商品になっていますね。
火を通していない薄塩の干物より同じパック商品でも、火を通してある分安心な気もします。
ここの商品は熊野のお土産屋さんとか特産品販売のところで手に入ります。
「笹かまぼこ」ほど有名に放っていませんけど美味しいものですよ。
熊野市周辺地図です