童謡の「背比べ」には…
「柱の傷はおととしの 五月五日の背比べ・・・ ・・・
… … やっと 羽織の紐の丈」 てえのがありますし、この季節になると…
「目に青葉 山ホトトギス 初がつお」 なんてのもあります。
でも、ここ木本ではそれよりも何よりも、季節を感じさせるのは、『サラタケイカ』です。
小さなイカで何の変哲も無い物です。
同じようなイカでは、「赤いか」「剣いか」なんてのも並びます。
なのに、木本の人は『さら丈』を特別扱いしてきました。
正体は「スルメいか」の子供です。
孵化してしばらくは近海でうろつきますから、その時期に捕る物です。
色は写真のように白く、まさに「スルメいか」なのですが、大きさは「小皿」の丈なのです。
先日までは、やたらと小さい、「ぐい飲み」サイズのが出ていましたが、ようやく「皿の丈」になりました。
この「サラタケは、茹でて食べますが、当然のように「わた」ごと茹で、「わた」ごと食べます。
その「わた」が他のいかより美味しいのです。
「身」「すみ」「わた」のバランスが非常に良いから人気があるのです。
でも、昨日買ったのは、『腹ペコ』の時間に網を入れたらしく、「わた」が少なくて、味が出ませんでした。
いかなんてものは、丸々しているときは「肥満」ではなく、『満腹』なのですからね。
うーーーん
見るからに「腹ペコ」ですよね。
茹でた「さらたけ」の食べ方は、酢を掛ける人、醤油を追加する人、おろし生姜を添える人…色々あります。
口にする時には、「イカの耳」の部分をちょいと咥えて食いきって引張ります。
すると、その尻尾の部分にくっ付いて、細くて透明な「イカの骨」が抜けてきます。
それは、手で取って皿の隅においておきます。
他はそのまま足の先まで食べます。
本来は少し固いはずの、目玉やくちばしも柔らかいですからね。
くちばしの部分を、この辺では、「からすとんび」と呼んでいました。
大きくなると、まるで、カラスやトンビの嘴うのように見えますからね。
サラタケだけではなく、イカの類は餌を丸呑みしますから、体の半分もあるような鰯などを飲み込んでいるやつも居ます。
どうみても、胃薬が欲しそうな感じですね。
熊野市周辺地図です