19日土曜日、近大高専の卒業式とお別れ会がありました。
近大熊野高専が出来てから48年だそうですが、この卒業式が熊野で行う卒業式としては最後になります。
4月からは名張の方で始業式、入学式が行われます。
日本では子供の減少で小学校から高等学校ま、そして大学も閉校が相次いでいます。
子供が減れば当然そうなる訳です。
田舎ではそれに「過疎」が追い討ちをかけますから、随分前からこの現象が現れています。
この地方では最初の閉校ですがよそでは毎年かなりの数が閉校していますからね。
高専のように他所からの子供のいる学校が閉鎖されるのは、大幅な人口減をもたらし、産業的にも痛手は大きいですが、いかんともし難いがあります。
税金を投入して維持するとすれば、小さな自治体の予算を他所から来る子の分までを含めて面倒見るのか・・・
地元にある「県立高校」とのバランスをどうするのか?
どっちにしても、「閉校」が避けられないのはこの先の児童生徒数で分かっていますから、どれから閉校してゆくのかと言う優先順位・・・
そんなものを考えれば、この高専の閉鎖、移転もやむをえないでしょう。
感情論で「残せ」と言っても…
近大も赤字回復の見込みの無い場所で営業を続ける訳には行かないでしょう。
十数年前の熊野市総合計画の立案の時に、「高専が閉校にならないように考えてゆかないと、本部は閉鎖を打ち出してくると思う」と提言して、少々馬鹿にされた記憶があります。
当時、同じ審議会に居た高専の先生は、「その恐れ無しとはいえません」と言ってくれたのですが、一般には分からなかったようです。
すでに、それ以前から定員割れなどの症状が出ていましたからねえ…
工業高専ですから適性の問題もあります。
私たちの頃と違い、「理工学部離れ」もあります。
「私立」・「近大付属」と言う問題もあります。
つまり…
「文系の子供」「本格的進学希望の子供」はこの「近大高専」には行かないと言うことです。
国立高専でさえ存続が問題視される時代ですから…
このような条件で、「近大高専」は熊野での48年の歴史に幕を下ろします。
50年前、熊野の人たちが寄付を集めて敷地を買えるようにして、熊野市が誘致したものですが時代の流れには逆らえません。
今の熊野では、こんな風に寄付を集めて・・・なんて、余力のある林業家や商売人はいません。
4月には人口が数百人減るのでしょう。
熊野市周辺地図です