熊野名産の一つに「あまご」があります。
大又川などではアマゴの釣りも楽しめますが、そちらはお遊びです。
「名産」と言うほどにたくさん育っているのは、熊野市の秘境ともいえる「赤倉」です。
かつては交通の要所にもなり、山の上の「丹倉」と合わせると結構な数の家があり、「赤倉分校」なんて小学校の分校があった位ですが、今ではよそからの文化人を含めてもほんの少ししか住んでいません。
この山あいの綺麗な谷川を利用して「アマゴの養殖」をしているのが「赤倉アマゴセンター」です。
はじめたのは今の当主さんのお父さんです。
今は全国でアマゴの養殖も増えているようですが、この人が始める頃は手探りで随分苦労したようです。
およそ「アマゴ」と言うやつは、肉食で獰猛なくせに神経質で水質にもうるさいようです。
清流・渓流に住み着く連中ですから、濁った水は嫌い、温かい水も嫌い、いつも流れて酸素がたっぷり無いと駄目、人の気配など騒々しいのも嫌い…と言うことらしいです。
そういう意味では、ここ「赤倉」の谷は絶好の場所なのでしょうね。
こんな風に神経質な魚ですから、飼い方が確立するまでが大変だったようです。
自力で谷水を引き込む池を作り…水を管理し…
そもそも、ウナギの様に大量の稚魚を買うすべも無いし…
餌も良く分からないし…
と言うので大変だったでしょう。
でしょう…ではなく、今も大変なのです。
大雨が降って谷が濁ったり、沢崩れがあればアマゴが全滅する可能性もあります。
日照が続いて谷の水が減ったら水の確保に苦心しなくてはなりません。
水質の悪化は致命傷になるようで、アマゴの養殖をやるとまともに留守も出来ないようです。
夫婦とか親子が揃っていないと出来ない仕事のようです。
普通の市民の目に触れるのは、イベントの「アマゴのつかみ取り」に出てくるアマゴです。
地元での消費はほんのわずかで、ほとんど出荷されているようです。
『熊野発』の『おいしいもの』です。
熊野でも、料理屋などでは食べられます。
川魚は足が速いです。
産地のそばで食べるのが一番です。
かといって、駅前食堂では無理ですしね。
口にしにくい名品の一つでしょうね。
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