熊野は海のそばですから魚屋が多いです。
街中の小売専門の魚屋さんは昔に比べ減って居ますが、加工業のほうは増えたのかもしれません。
輸送手段が徒歩の時代から鉄道に変わっても加工した魚がどんどん出荷できた訳では無いですからね。
小口混載便、宅配便が出来てきて干物屋さんの出荷が楽になりました。
いくら干物でも、何日も掛かったのでは美味しいものも美味しくなくなりますからね。
それに、チャーター便一杯の干物なんて作れ無いし、そんなにまとめて出荷して裁くことも出来ませんでしたからね。
このお店は小売の鮮魚や乾魚を扱うとともに宅配などにも応じてくれる、「熊野市物産振興会会員」のお店です。
屋号が「魚政」、店の名前は森本魚店、住所は井戸町、電話は看板が少し古いので「8」が抜けていますが、0597-89-1627です。右端に写っているのが店主さんです。
この日は「かますの開き」を干していました。
まだ、開いたばっかり…このまま生のまま刺身で食べられる状態です。
「かます」は少し上品な干物に入ります。
少し大きくなるので「開き」になったものがほとんどです。
少し脂が乗って美味しい干物になります。
同じように白い魚でも、「きす」になると、もう少し小さなやつを丸干しにします。
小さめの「きす」を「キスゴ」って呼びますね。
白くて綺麗な「きす」ですが、丸干しにするとしわくちゃの少し灰色がかった惨めなスタイルになってしまうことが多いですね。
でも、焙って食べると非常に美味しいものです。
およそ小魚と言うものは「丸干し」が一番美味しいのです。
骨も頭も腸も全部食べられて、旨みも全部口に入るのですからね。
魚は余分な「アラ」を捨てると60%くらいしか食べるところが無いと言われるのですから、まるまる40%の儲けなのです。
魚によっては、腸をわざわざ塩辛にしたり、背骨を瓶詰めにして売ったりするくらいなのですから、紀州流の丸干しは合理的なんです。
ぜひご賞味あれ!
こんなブログもはじめました。
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