「貧しい旅人、お遍路さんを無料で宿泊させると自分が遍路に出たのと同じ功徳が得られる」と言うことで、遍路道には「善根宿」と言うものがあったそうです。
熊野街道伊勢道にもそれがあったのだそうです。
熊野市大泊にあった「善根宿」に残されていた書付などが整理され資料として「文化交流センター」に収蔵されたそうです。
しかしながら、原本に関しては持ち主の方が公開を望まないので見られないようです。
データベース化もされていないようなので、調べたい方は熊野市駅前まで足を運んでいただかなくてはなりません。
私などは古い書付の文字がまるで判別できないので原本を見ても役に立ちませんけどね。
参詣の往路なら大吹峠を越えて、後一つ、小さな「松本峠」を越えればなだらかな浜街道の入り口「木本」にたどり着く場所です。
お腹を空かし、疲れ果てたお遍路さんを暖かく迎えてくれるこうした宿のご主人は仏様に見えたでしょうね。
世間全般がそんなに豊かでなかった時代ですから、今のホームレス収容施設以上に受け入れる方も大変だったことでしょう。
落語なら「左甚五郎」が「水仙の彫り物」や「ねずみの彫り物」を残したり、貧乏絵師が抜け出して飛び回る「すずめ」を描いて残したりしますが、現実には大変なことだったでしょう。
まさに「善根宿」だったのでしょう。
この大泊の浜も浄土の浜に見えたかもしれません。
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