LUZの熊野古道案内

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2010年 06月 09日

熊野の旅 土と石

 この地方の家屋敷を考えてみると、古い町、古い集落にしては「土塀」「土蔵」「塗り壁」が少ないです。
 武家がほとんど無かったのですから大きなお屋敷が無くて当たり前でしょう。
 しかし、「商家」や「網元」なんてのはあったのです。
 それなら小さくても「土塀」があったり「土蔵」があってもおかしくないのです。
 「土蔵」はいくつか見えない中庭にあるといいますが、白壁とかなまこ壁とかではなく、外が羽目板張りが多いようです。
 「塀」は「石垣」が基本で「土塀」はほとんど見られません。
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 写真は「旧奥川邸」「紀南ツアーデザインセンター」の土塀です。
 石垣を芯に土で固めた構造がむき出しになってきています。
 仕上げが漆喰だったのかどうかの痕跡は無いです。
 赤土・粘土はある地方です。
 家の中の壁は土壁でした。
 屋根瓦の下にも土を入れる工法でした。
 左官仕事もきちんとやっていた地方なのですが、外向きには土壁の上に「羽目板」ろ張っていたのです。
 おそらく、「雨が横から降る」と言う気象条件が土影を許さなかったのでしょうね。
 水に強い「黒の漆喰壁」が飾り程度に表に出ていただけです。
 「真壁」だと柱との継ぎ目から水が入って壁が落ちるでしょうからね。
 
 立て込んだ町並みの木本などこそ、防火の意味で土壁があってもおかしく無いのですけど…
 杉板が豊富にあったから、羽目板は「杉の赤身」でした。
 杉板も赤いところだけを使えば対抗性があります。雨ざらし日ざらしで何十年も持つのです。
 ほんの少しでも「白身」が入っていたらそこから腐ってしまいます。
 そうした材料の使い分け…
 まさに、「適材適所」が忘れられ、杉を悪し様に言う風潮があるのも困ったものです。
 「杉」はカビ無いし、ヤニもで無いので押入れの内張りは最適なんですけどね。
 紀ノ國、木の国でもすっかり忘れられているようです。
 先人の知恵を忘れるって、悲しいことですね。
 なのに…熊野は世界遺産だそうです。

 


熊野市周辺地図です


by je2luz | 2010-06-09 09:51 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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