昔に比べ汚れたとは言え、大又川は清流です。
そして、一時期に比べ随分よくなっています。
『水質改善の意識がものすごく向上した…』のではないのですが、住民の減少、耕作農地の減少、農薬の改良などが主な要因のようです。
昭和の中ごろまでは生活廃水が直接川に流れ込むことは無かったのですが、黒いホースが普及し、山から自家用の水道や集落単位での簡易水道が作られるようになって一気に川は汚れましたね。
決定的になったのは、市によって水道(簡易水道)が敷設されたことでしょう。
蛇口をひねったらきれいな水がふんだんに出てくる…
洗濯機も本来の働きをするようになる…
お風呂も水を汲まなくて良いし、薪を確保しなくてもガスで沸かせるようになった…
昔に比べ、何倍も水を使い出しました。
なのに…
日本では上水道は出来ても下水道は出来ないんです。
浄化槽でもややこしい規制があるし…
垂れ流しにはどう言う訳か甘くお目こぼししてきました。
だから、全国の田舎で、「水道整備」=「河川汚濁」なんて図式が出来てしまったのです。
さらに…
日本の田舎では、ようやく、「水にお金を払う」意識が定着しましたが、「捨てる水」にまでお金を払うのは抵抗があるようです。
それに、下水道を導入すると必然的に掛かるトイレや台所の改造費など100万とも言われるお金が負担しづらいのです。
それはそうでしょう…
住民の4割とかが老人で、この先何年改良した家を使うやら分からないのですからね。
その人が終わったら、家も役目を終えるのですから…
と、言う訳で下水道は中々出来ません。
「農村集落改善事業」なんてのもあったのですがやれませんでしたね。
なんだかんだ言っても、川は自然にきれいになってきています。
きれいになれば、「あめのうお」も育ちます。
本流ではうんと上流に上らないといけないでしょうが、支流の谷に入れば民家の傍でも釣れるようです。
もっとも、今のは放流したものだそうですね。
先日も大又川の写真にある場所のすぐ下流で別れる「小又川」で地元の人がバケツ片手に「アマゴ釣り」をやっていました。
釣果は一匹でしたが、都会の人のように「毛鉤」を使ったたいそうなものではなく、昔流にやっていましたね。
それでも釣れる時は釣れるのです。
でも、地元の人でこうした遊びをする人も居なくなりましたね。
大体、子供が居ませんからね。
それと引き換えに川がきれいになってゆくのでは寂しい話です。
熊野市周辺地図です