LUZの熊野古道案内

je2luz.exblog.jp
ブログトップ
2010年 04月 08日

熊野の旅 框

 『框』なんて漢字はすっかり使われなくなっていますね。
 『框』は「かまち」と読みます。
 普通に使うときは『あがり框』と言う風になります。
 玄関や勝手口などでヨイコラショと家に上がる場所に付けられた敷居のようなものです。
 玄関に付けられるものは非常に目立つので良い木が使われます。
 ぶつかることも多から傷も付くしし、毎日一杯の人が踏みますから汚れもします。だから、硬い木が使われてきました。
 最近では「桧」を使うことも多いですが、昔の家では「桜」「欅」などの今で言う「銘木」を使うことが多かったですね。
 そうした「堅木」もふんだんに手に入ったからでしょう。
d0045383_90377.jpg

 この框は「紀南ツアーデザインセンター・旧奥川邸」の玄関脇、「店の間」のものです。
 大きくて節一つ無い立派なものです。
 私のように古い家で育ったものにとっては当たり前の光景なのですが、今の時代にこれを入れようとすれば一部屋分の内装費より高いでしょうね。

 框の高さは今の家より昔の家の方が高いです。
 人間が腰掛けられる高さのところが多いです。
 本当に「ヨイコラショ」と上り下りするくらいですね。
 ちょいとした用事の人はここに腰掛けて話を済ませたものです。
 農家では、もっと簡単に「縁側」に腰掛けて…と言うスタイルが多かったですね。

 昔の人は今より背が低かったです。
 だから、少し高めの「あがりかまち」は決して使いよくは無かったでしょうね。
 女の人などは5尺(150cm)なんてのは大女でした。140cmほどの人が和服を着て…大変ですよね。
 下働きの人の着物のすそがうんと短かったのも当たり前かもしれません。

 台所も土間でしたから、玄関よりは低目とは言え框がありました。
 人間工学よりは家の湿気対策や見かけが優先したのでしょう。

 そもそも、昔の家は、入り口にも敷居が入っていて、またいで玄関を入ったものです。
 今は土間と同じ高さで「敷居」なんて感じは無いですね。
 でも、「敷居が高い」とか「敷居をまたぐ」などと言う言葉は残っていますね。
 こうした敷居も、田舎の古い農家などには残されていることが多いです。
 小さな子供などは、一度腰掛けてから乗り越えてくるような「敷居の高い家」があります。
 大きくて格式の高い家ほど、使ってある木が太くて敷居が高くなるものです。
 そんな家の「上がり框」はやっぱり立派で高いです。
 田舎家に入る時には玄関先からそんなところに目をやってください。家の格式が分かることがあります。




熊野市周辺地図です


by je2luz | 2010-04-08 09:23 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://je2luz.exblog.jp/tb/10944573
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]


<< 熊野の旅 便利になったけど…      熊野の旅 月例 広報くまの 4月号 >>