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LUZの熊野古道案内

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2010年 02月 17日

熊野の旅 旅と感動

 昔は…江戸時代までさかのぼらなくても、昭和30年代終わり頃…いや、大阪の万博の頃までは、旅・旅行に行くということは大きな出来事でした。
 うんと前から計画し、お金も用意し、わくわくしながら待ち焦がれて出かけるものでした。
 それに、今のようにテレビなどでやたらと各地を紹介しないので、現地に行くことがものすごく新鮮で楽しみだったのです、期待も一杯ありました。
 どんな物があるんだろう…と言う好奇心一杯できょろきょろしたものです。
 食い物にしても、物知りの人でも、名前と大体どんなものと言うことしか知りませんでした。
 これも、名物ではないものまで放送しつくし、都会の人たちなら「物産展」で年に一回くらいは入手できるのでそちらに興味のある方は居ながらにして食べたことがある様にまでなっています。
 つまり、観光地は素っ裸にされているようなものです。

 現地に来て見る方が見落としが多かったり、現場に立ち入り出来なかったりが多いくらいです。
 新しい土地へ行ったときの感動がかなりの部分そがれてしまったかもしれません。
 宣伝になれば…と、ばかりに、全国2000自治体が…それを上回る団体が…「情報を発信する」などと言う分かったような分からないような名目で、名所の紹介のみならず、名産品のたたき売りまでやります。
 観光地を素っ裸にし、神秘性もなくしてしまうのは、かつて私たち世代が女性に対して持っていた憧れを、今の世代では無くさせてしまったのと同じような感じを受けます。
 およそ、人の気を引き、見たくさせるのは、「チラリズム」程度が宜しいのではないでしょうかね。

 インパクトが弱いから…
 よそ様に負けるから…
 何だか、昔、「A級伏見」がやってるんだから…と、ストリップ業界がエスカレートしたような図式が観光宣伝にも適用されたようです。
 
 何も無い…何かを求めて歩いた「参詣道」、修行のために駆けた「修験の道」を、絵にして説明しようとするので少しばかりおかしな面も出ますね。
 かわいそうなのは、裸にされる観光地ではなく。感動を薄れさせられる観光客の人たちなのかもしれません。
 でも、そうした感受性より、「有名なところへ行った」と言うことに感動する人も増えているのですから、これでも良いのでしょうかねえ…
熊野の旅 旅と感動_d0045383_11404224.jpg



熊野市周辺地図です


by je2luz | 2010-02-17 11:41 | 熊野


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