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LUZの熊野古道案内

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2010年 02月 15日

熊野の旅 沿岸漁業 磯崎港 2

 昨日書き始めた磯崎の漁師の方たちのお話です。
 漁業自体は、もう、「儲かる」なんてことには縁が無い状態だそうです。
 「えび網」をやられるそうですが、獲れる量も減少するし体力も落ちるし…
 それでも、「働けることは幸せじゃよ…」とおっしゃっていました。
 一緒に船底のペンキ塗りをやっておられた奥さんも、同じように、年をとっても夫が元気で海に出るのがうれしいようです。
 80歳を越えてから海に出てゆけば、若いとき以上に心配でしょうけど、船に乗れなくなるよりは、元気で出漁してゆく方が、やっぱり、幸せだそうです。
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 この世代の方々は、私より少し上で、戦時中から戦後の大変な時期を経験してきています。
 だから、今に感謝することを知っています。
 働くことを楽しんでいます。
 台湾から引き上げてきて、漁師になってからはひたすら海の上で真っ黒になって働いたのでしょう。
 それからでも60年を越えています。
 命がけで逃れてきた海で、また、命がけで働き続けたのです。

 戦後の食糧難時代を支えた沿岸漁業はその必要性からどんどん進歩した漁具や漁法で資源を削り続けました。
 船の数がうんと減っても、効率が上がっているので水揚げできる魚の量は減らないようです。
 ただ、魚の陰が薄くなって、水揚げが減っているのだそうです。

 肥料にするほど獲りまくって激減させた「にしん」は有名ですが、他の資源も同様だったのですからね。
 獲れなくなって来ても輸入の資源があったので消費者は気にもしてきませんでした。
 そして、「まぐろ」「鮭」「鱒」などで海外の動きがあるとマスコミも騒ぎ、少し関心が出来るのですが、すぐに消えてしまいます。
 世界中から、買える魚を買ってくれば「事足れり」ですからね。
 だから、近海の漁業は職業ではないような立場になってしまった部分が出来てしまったようです。

 二十年ほど前に、この磯崎で市政懇談会があって、時の市長が漁港整備に関し胸を張って報告したら…
 「市長!その漁港整備が出来た頃にはここに船はあるんじゃろか?」と言う質問が出て居ましたが、幸いなことにまだ船はあります。
 歳をとっても丘に上がらないで働く漁師が多いので船は残っているとも言えるのです。
 かといって、小さな沿岸漁業では跡を継げということ自体が無理ですしね。
 レジャーの釣り客のために残っている渡船もその数の中に入るのですけどね。
 それが一部のうちは良いですが、多数を占めるようになったときに、それが「漁業」と言えるのかどうか…




熊野市周辺地図です


by je2luz | 2010-02-15 11:49 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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