LUZの熊野古道案内

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2005年 06月 23日

熊野古道の周辺 飛鳥・流れ谷の里 3 大又川の河童

 大又川の上流は紀伊山地を駆け下りる急流な部分が多い川です。
 それでも、所々、淵になり緑色の深みが少し不気味に見えているところもあります。
 走した淵の一つ、飛鳥の小阪地区の平(だいら)にある蔵本の淵には河童伝説があります。
 河童伝説はどんよりした大きな淵や湖が多いですね。もぐって正体を調べられないようなところで無いと、迫力が出ませんからね。
 この淵は、確かに大又川にしては深くて大きいのですが、格好の子供の水泳場で、昔から学校の指定水泳場です。
 ここの河童伝説は少しおかしなところがあります。
 昔、この淵に、いたずら物の河童が住んでいました。お百姓さんたちが淵の下手の浅瀬を牛を連れて渡ろうとすると足を引っ張って、大切な牛を引きずり込んでしまうのです。
 そこで、困ったお百姓さんたちがお坊さんに頼んで、河童封じをしてもらいました。
 お坊さんが河童封じをすると、目の前に河童が現れました。
 お坊さん『これ、どうしてお前は悪さばかりして平の衆を苦しめるのだ』
 かっぱ『わしの願いを聞いてくれるのならいたずらはやめてやるよ』
 お坊さん『一体何が望みなのじゃ?』
 かっぱ『キュウリを作らんといて欲しいんじゃ』
 お坊さん『分かった。平衆に言って、これからはキュウリを作らせんから、もう悪さはするなよ』
 かっぱ『約束を破ってキュウリを作ったら、又、悪さをするぞ』
 
 こういい残して河童は消えて行ったそうです。
 この河童は地元で『ガロボシ』と呼ばれています。
 それ以来つい最近まで平では実際キュウリを作りませんでした。私も平らで育ったのでキュウリは他の部落で作ったのを貰って食べていました。たった十数軒の集落ですし、あえて作って食べなくてはならない作物ではないので、みんな守っていました。それに、川向こうの畑なら作ってよいのですからね。
 それは良いのですが、ガロボシが『キュウリを作るな』と言うのが面白いですね。全国的に河童の好物はキュウリですよね。『一杯作って、腹いっぱい食わせろ』なら分かるのですが・・・
 このガロボシはキュウリを食べ過ぎて、キュウリの顔を見るのも嫌だったのかも知れませんね。
 20年ほど前に農協が種キュウリの栽培をしようとして、この伝説がネックになったので、封じなおしをして今ではキュウリを作れるようになりました。
 淵の下手には立派な箸がかかり川を徒歩で渡ることもありませんし、最早、牛が一頭も居ません。
 この淵の隅から隅まで潜って魚とりをして遊びましたが、大きなくぼみが沢山あり、魚の宝庫でした『ガロボシ』には一度も出会いませんでした。



カメラはFUJI GS645S

by je2luz | 2005-06-23 11:41 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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