昨日は暖かい陽気につられて古道の入り口まで出かけました。
目的の半分以上はカメラに入っているフィルムの残りを消化するためでした。
登り口でカメラを構えると、すぐ上で人の声と大勢の気配が…
覗いてみると、「語り部」と10人ほどの集団が居ました。
「語り部」さんは「語り部の大将」の『花尻薫』さんでした。
写真、左側で少し大きく写っておられる方です。
地元では「花尻先生」と呼ばれている人で、小学校の校長先生をされた方です。
ここ、木本小学校でも校長をやられたので有名人です。
写真では大きく写っているし、大物なのですが…実際には高いところに上って説明しないとお客さんに埋もれてしまう方なんです。
「語り部の大将」ですから、説明はきっちりしているし、人柄も温厚ですし、この方についてもらった人は得だと思いますよ。
この一団は地元の人達です。
こうしたことに興味のある方々ばかりのようでした。
「語り部養成」でもないのかもしれませんが、地元向けの「地元学講座」みたいなものでしょうかね。
こうした企画は中々広がりを見せないようですね。
だいたい、やること自体を知らしめるのがむずかしいです。
私が紀伊長島へ引っ張って行かれたの同様、個人的なつながりで引っ張られるとか、主催者サイドから「動員」的に誘われるとかしないと、一般人は集まりませんね。
だから、どうしても同じ顔ぶれになりがちです。
偶然、遭遇して取材写真を撮ることが出来たのですが…
「この企画、良く知っていたねえ…」
「だそに聞いたんかえ?」
と言う風に聞かれるくらいでした。
『世界文化遺産』の中に住んでいても、私をはじめ地元の住民のほとんどが『熊野古道』のことを知りませんからね。
少し前まで、消え去り忘れ去られていた「松本峠」や「大吹峠」「御浜街道」ですからねえ…
マスコミさんもものめずらしかった時にきれいな姉ちゃんを動員して絵を流して終わりでしたしねえ…
おまけに、「世界遺産」の片方の『霊場』のように、具体的に誰それが造って何様を祀ってあり…なんて分かり良いものもないし…
「世界文化遺産」になっているので、この先、忘れられることが少し減ったでしょうが、住民の老齢化以上に「語り部」とか「文化人」の老齢化のほうが先に進んでいますから、伝承することも難しいことなのかもしれません。
このような「地元学」を学びながら歩いていたメンバーも私と同じくらいから上の人が多いようではねえ…
まあ、若い層には受けにくいジャンルですけどね。
でも、こうして「地元学」を少しでも広げれば、こられた古道歩きの人に者を聞かれても答えられる人が増えることでしょう。
熊野市周辺地図です