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LUZの熊野古道案内

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2009年 11月 13日

熊野の旅 漁師町

 明後日、見学に行く「紀伊長島」は漁師町のイメージが強いところです。
 結構大きな町ですから、全部が漁師で発展したのではないでしょうが、「天然の良港」と言うやつに恵まれ、近代に入って漁船が大型化してからも漁業で生きられたところだから、「漁師町」の雰囲気が強いのでしょうね。

 この「紀伊長島」だけでなく、ほぼ日本中の「漁師町」は良く似た雰囲気を持っています。
 網元の家を除くと小さな家がひしめき合って建っています。
 岬の影にある小さな漁村だと平地が無いので、重なり合うように山に上に向かって密集している…
 家が密集しているように、近所同士の生活も密着しあっていて、町中が一家と言う感じですね。
 農家と違って、命まで共にしなければならない海での仕事ですからそうなるのでしょうね。
 大昔から、収入は安定しないけど小作百姓と比べて収入が少ない物でもなかったのでしょうけどね。
 陸の上の財産とかに対する感覚が土地に生きる百姓とは少し違うのかもしれません。

 紀伊半島は平野が無いので「田園地帯」なんて雰囲気のところは殆んど在りません。
 「海賊」と「山賊」の故郷みたいなところですからね。
 熊野市でも、木本町の「親地町」、それから先は入り江ごとに「大泊」「磯崎」「新鹿」「遊木」「二木島」「甫母」と漁師町が並んでいます。
 親地町と大泊、新鹿は平地の漁師町ですが、他は山に張り付いた漁師町です。
 風当たりの強い海辺の町ですから、家の立ちは低く軒も低い物が多いですね。
 私が製材業をやっているときに漁場の家の用材を納めたことがあります。
 田舎の百姓家で平屋の場合、今風の家でも普通どおり1丈(3m)の柱で、大きな平屋だと2間4mの柱になります。
 漁場に家になると、「1丈の柱は要らないから、9尺にして安くならないか?」と言われました。
 漁場ばかりに納材するのなら9尺の柱材を用意しますが、ほとんど需要が無いので1丈で納材しましたが、1尺長くて普通どおりの天井の高さ、家の高さが確保出来る10尺の柱を納めても、全部9尺に切って低い家を建てますね。
 最近になってようやくその風習から抜け出してきたようですけどね。
 
 このようは慣習が、町の景観を作り、守ってきたのでしょうね。
 ややこしい設計図なんて無いままで家は建てられてきましたからね。
 家の構造が一緒だから、家に入れば聞かなくても台所の場所や便所の場所は分かるし、場合によっては財布の置き場所まで分かる物です。
 何しろ昔の漁場や町場の家は一戸建てとは言え、せいぜい三部屋ですからね。今の団地とそんなに差は無いのです。
 団地と違うのは、今でも近所と一緒に生活していることですね。
 昔のように、同じ網元の下で同じ船に乗って働くのではなくなっているのですが、お年寄りたちは昔ながらに「町内は一家」みたいに暮らしています。
 「独居老人」でもあまり寂しくないのではないでしょうかね?

 子育ての時には狭かった家も、一人になれば、丁度良い広さでしょうし…
 ちょっと暗いですが、快適な隠居住まいなのかもしれません。
 天気の良い日には通りに椅子を持ち出してのんびり話し込むなんて…
 いつまで、この古き良き日本の田舎が残されるのでしょうね?
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熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2009-11-13 12:40 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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