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LUZの熊野古道案内

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2009年 10月 25日

熊野の旅 そろそろ新物

 世の中、季節感が乏しくなっています。
 家の中は半世紀前なら考えも付かなかったような、夏はクーラー、冬はヒーターで日本中の家の中が同じ温度です。
 夏が暑く、冬は寒い部屋なんてのは冷暖房を使わない我が家みたいな家だけでしょう。
 野菜もすっかり冷暖房されるのに慣れてしまって年中同じものがありますね。
 温州みかんなども、昔は10月の青切りから2月頃の晩生のものまででしたが、今では7月から3月までですね。
 夏場は汽車の中で売っている「静岡の冷凍みかん」と決まっていたのですが、今では冷凍しないみかんが真夏に売っていますからね。
で、隣は『年中みかんの採れる町・御浜町』です。

 魚も冷凍技術の進歩でそれこそ年中同じ魚が店先に並びます。
 輸送のため…漁獲高の乱高下調節のため…などという名目で、補助金までつぎ込んで各地に作った『冷凍倉庫』がすっかり季節感までなくしてしまいました。
 冷凍できるから乱獲する…と言う傾向もあります。
 そして、ものすごい電気代を払って冷凍保管した魚を加工したり売ったりするので、コストが嵩み、少しくらい高く売っても消えちゃいます。
 地球を暖めながら無駄なことをやっている面もありますね。
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 「熊野名物・サンマの丸干し」でも同様です。
 サンマも獲れるとほとんどが冷凍されます。
 生ものがあがったときは生ものから干物を作ります。
 安いときには大量に干しあげて「干物」を「冷凍」します。
 生物の無いときは冷凍のものを「解凍」して干物を作ります。

 生物、『無塩・ぶえんのサンマ』を丸まま塩をして丸干しを作り、その「丸干し」をそのまま口にする…
 本来の姿は今の時代にはほとんど無いと思ってよい位ですね。
 なにもこれは「サンマの丸干し」だけではなく、「塩ジャケ」「目刺」「小田原・アジの開き」「イカの一夜干」・・・みんなそうなんです。
 生からの加工品で、加工後も生のままとなれば、都会には新鮮な干物などたどり着きませんし、在ったり無かったり、黄色く色が変わっていたり…になるのです。

 熊野では今からが、「サンマ」の季節なのです。
 10月末ではまだ早いのです。
 日本中がサンマを食い飽きた頃、熊野にサンマがやってきます。
 根室沖から始まって、三陸、銚子沖、伊豆沖、遠州灘を経て熊野灘ですから三ヶ月四ヶ月後れて当たり前です。
 可愛そうに、黒潮に逆らって南下するのに疲れてサンマが痩せちゃうのだそうです。
 自転車より早いような黒潮に逆らって、何ヶ月も休み無くジョギングしてくれば痩せますよね。
 一日昼間中泳いでも一晩寝たら元通りのところまで流されますから、泳ぎ続けるしか無いでしょうね。
 おかげさんで、おいしい「サンマの丸干し」と「サンマ寿司」が作れます。
 食通には「サンマのなれ寿司」なんて珍味も作れるのです。

 後ろの山の低いところが『熊野古道。松本峠』です。
 松本峠を降りて、花の窟神社を目指して歩いていると、数軒の魚屋があります。
 普通の魚屋ではなく、干物の加工屋さんです。
 でも、そうしたところでも「丸干し」は売っていますし、直送も扱っています。
 『熊野古道歩き』を終わって、家に帰ったあくる日とかを指定して送ってもらえば、食べごろの干物が届きますよ。
 着いたら食べる分を冷蔵庫に残し、残りは冷凍しておけば長く食べられます。
 本などでは一ヶ月くらいと書いていますが、冷蔵庫の調子が悪くなければ半年でも大丈夫なものです。
 昔は冷蔵庫も無く、軒先につるしたままで半月も一月も置いたのですからね。
 そうすると、カッチンカッチンになり、焼き立てには歯が立つけど冷えたら猫の牙でも噛めなくなりました。
 人間は「勿体無い」ので、お茶でふやかして食べましたが、猫は食べません。
 そんな、カッチンカッチンのサンマの丸干しを『猫またぎ』と呼んだものです。



熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2009-10-25 11:50 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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