LUZの熊野古道案内

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2009年 09月 19日

熊野の旅 熊野の基幹産業 製材 3

 製材所は、埃、騒音の他にも大量の廃棄物を出します。
 昨日の「バーカー」から出る皮をむいたごみや「おがくず」です。
 今流に言えば、これらは全部『天然物』です。
 本来は「環境に優しい」代物なのですが、大量なのでもてあまします。
 
 桧の葉っぱやまな板には殺菌作用がある・・・と言われていますが、殺菌作用がある位ですから中々発酵もしないし腐りません。杉・桧のヤニにはリグニンなんてのがあり微生物も嫌うようです。
 昔から、時々、『おがくず堆肥』『バーク堆肥』なんてのが話題になったり、『おがくず炭化』なんてのもプラントが発明された・・・などと何度も紹介されていますが、実用化は出来ていません。
 補助事業で作られた工場のあちこちで出来たのですが、まともに操業できたものは無いようです。
 私が製材に居た時にも計画はしてみたのですが、堆肥化するのなら設備はそんなにたいそうな物もいりませんし、この工場の立地条件なら臭いもさほど問題にはならないのですが、場所はとるし、それに出来た堆肥をどうするか…も問題でした。
 有機肥料というやつは農地に戻すのもコストの掛かる物です。
 農地が生き返るので良いのはわかっているのですが、家庭菜園程度で無い山間部の農地では大変なことなのです。
 それと、発酵しにくい杉桧のおがくずを発酵させるためには、『米ぬか』と『酵素』が必要です。
 出来てくるおがくずは大量ですから、「米ぬか」も沢山要ります。これの確保の見込みも立ちませんし、何より、『酵素』なるものがものすごく高かったです。
 発酵途中の物を取り出して次のに混ぜれば、生きた酵母のような物が働いているので新しい「おがくずと米ぬか」の山で活動してくれるはずなのですが、大変な手間になります。
 考えるだけでうんざりする作業になるので結局やりませんでした。
 ブースをいくつか作って、フォークリフトにバケットを取り付けて次々と定期的に移しながらひっくり返してやれば空気が入って高温で発酵する割と単純なことなのですが、やったところも続かなかったようです。

 木の皮の方はもっと厄介です。
 おがくずは細かい粉ですが、杉桧の木の皮は機械でむいても長さがあって絡み合うので取り扱いがもっと厄介です。
 発酵させて肥料にするなら粉砕の必要も出ます。
 叩いて粉砕できるようなもろい繊維ではありません。
 回転する刃物などには巻き付いて機械を止める位に杉桧の皮は丈夫な繊維なのです。
 こちらも実用化はされていませんね。
 開発、発明に手がけるところも多いのですが実用化には至らない訳です。
 この部門だけではなく、テレビや新聞で「大発明」と紹介されるものの大多数が、『理念は良いけど…』と言うものなのです。
 
 今ではこうしたものを野焼きすることも出来ず…焼却炉を据えると排煙処理もしなくてはならないので、製材くずを処理するプラントに数千万かけなくてはいけないとか…
 「自然のもの」なのに…
 「取れた場所」なのに…
 焼くことも捨てることも出来ないのです。
 こうしたことも、製材業を圧迫し、林業を圧迫していますね。

 それに…
 世の中は、『安けりゃあ良い』が当たり前になってしまったのもこのことより厄介なことです。
 日本の建築は安普請でも50年60年持ち、まともな建物は100年200年大丈夫だったのですがねえ…
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 カメラはSONY α350+SIGMA10-20ズーム使用


熊野市周辺地図です


by je2luz | 2009-09-19 11:17 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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