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LUZの熊野古道案内

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2009年 07月 31日

熊野の旅 8月 お盆の月

 熊野もお盆は一般的な田舎同様、「月遅れお盆」です。
 7月お盆なんてのは、東京の一部と「百貨店」位のものでしょう。
 少しでも早くお中元を売りたい商魂もあって、熱心に7月お盆の前にお中元セールをやった節があります。
 日本中の田舎は月遅れ8月お盆がほとんどですから、報道の方では「お盆の帰省」とは8月の物とされています。

 明日から8月です。
 本格的な夏が来ないうちに、半月先にはお盆で、その頃の夕方には秋風が吹きます。
 
 熊野の人口が増えるのは、「お盆」と「正月」です。
 近年は各企業ともに夏休みなどが長くなってきて、帰省するには都合が良いはずなのですが、帰省客は減る傾向にあります。
 今年は高速道路も1000円なんて制度があるので、多少増えるかもしれませんね。
 でも、来年になったら、「ただかもしれない」なんて色気を示して今年はパスしようなんて人も居るかもしれません。

 帰省客が減る傾向にあるのは、戦後の復興期のよそに出た人は帰ってこれないほど老齢化したし、高度成長期に出た人たちは、親が段々いなくなってきて帰る場所がなくなってきたからです。
 田舎出身の者はいろんな面でハンディを背負って社会人への道のりを歩みますが、『ふるさと』を持っているという良さもあるのです。
 『ふるさと』という心の支えが意識しないでもどこかで「田舎者」を支えてきていた面もあります。
 しかし、ここにきて、それが段々薄れてきてしまったようです。
 私の同級生など、すでにお盆に帰省する人がほとんど居なくなりました。まあ、魂になって帰って来る人が出る年ですから当たり前かもしれませんが、同級生の育った家が廃屋になったり、取り壊されて屋敷だけになった所が多くなっています。
 墓所まで空き地が目立ちだしましたからね。

 8月は行事も沢山あります。
 熊野最大の行事、8月17日の『熊野大花火大会』はお盆の『灯篭焼き』の行事から始まったものです。

 昔なら、お盆になると、夜毎夜毎いたるところで『盆踊り』がありました。
 この辺の盆踊りは、『やっさのせ』といわれるもので、地域によって歌詞も節も少しずつ違いはありますが、はやし言葉は『やっさのせー』です。
 その後ろに続く部分が結構変わりますね。
 『やっさのせーーえ よやさのせー』が私の育った飛鳥のあたり・・・
 『やっさのせーーえ よいとまかしょー』だとか・・・
 『やっさのせーーえ どっこいさのせー』だとか・・・
 まあ、全部、『正調』でしょうね。
 京都の八つ橋みたいな物でしょう。
 
 この盆踊りにはよそに出ていた若い衆が帰ってきて集まりました。
 芋くさかった女の子もちょいと磨かれて・・・
 いがぐり頭の餓鬼も髪を伸ばしていっぱしの若い衆に・・・
 都会で緊張して暮らしている生活から開放され、恋の花咲くこともある・・・てことでした。
 交換するのは携帯の番号ではなく、住所でしたね。
 片道三日も四日もかかる郵便でのやり取りですから、悠長な遠距離恋愛だったりしたわけです。

 そうして帰って来る若い衆も減ったし、地元に残る若い衆も少ないし・・・
 そういう傾向とともに、『盆踊り』も寂れてゆきましたね。
 昔より立派なやぐらを作って、ちょうちんも飾って、夜店も作って・・・
 イベント会場を用意しても、人の出は少ないし、大体、踊り手も居ません。まして、音頭とりなんて壊滅状態です。
 有名になって、観光客が集まるような、「郡上踊り」とか「おわら風の盆」なんかだと、見物人も多いので踊り子も張り合いがあるのですけどねえ・・・
 「やっさのせ」ではそれも無いですね。

 「ひさしぶりーー」
 「元気やった?」
 「おまえちょっと・・・」
 「何?」
 「いやなんでも・・・」
 「なにさ!はっきり言えさ!」
 「・・・きれいになったにゃあ・・・」
 「よう言うわあ!」
 なんて、言葉が薄暗がりでささやかれていた盆踊りも・・・

 「久しぶりじゃのし」
 「まああ!ほんとじゃのし」
 「いそしかったかの?」
 「あかんわえ! 足は痛いしの・・・」
 「わしもじゃかえ!」
 「迎えが来るまでは頑張ろうらいの!」
 「もう、いつ来てもええけどのう・・・」
 なんて、恐ろしく色気の無い、いかにもお盆らしい会話が交わされるようでは、踊りどころでは無いですね。
 その周りには足の無い半透明の同級生が並んでいたり・・・

 こうした盆踊りの中には「熊野市無形文化財指定」なんてのもあります。
 各地の神社の神楽などもそうですが、こうした郷土芸能も『保存会』なんてものに頼らなければならなくなってしまい、『郷土芸能』ではなくなってしまいつつあります。

 昔々は私も地域外の盆踊りにまで出かけたものなのですけどね。
 もちろん、わかーーい時です。
 可愛い子が居れば、遠い夜道もハイウエーに見えた年頃ですけどね。
 時代が時代だし、その頃のハリウッド映画のようにオープンカーでとはゆかず、自転車でしたけど・・・

 こんな状態ですが、運がよければ『盆踊り』に遭遇できるかもしれません。
 遅くなったから踊られるバージョン以外は、ものの5分も見ていれば覚えられる単純なものです。
 どこでも参加自由です。
 昔のように、よその若い衆が紛れ込んだら、「おらが部落の娘っ子を盗られる!」なんて、袋叩きにされる心配はありませんからどうぞ自由に踊ってください。
d0045383_10361291.jpg

 昭和32年の熊野市飛鳥町小阪・永明寺の盆踊り風景です。
 私が中学生ですから、被写体には今日の話題の娘っ子などは入っていませんね。
 その頃は小さな子供はまだ沢山居ました。
 子供もガキどもは写していませんね。これは今でも同じです。

 カメラはオリンパス35S1.9

熊野市周辺地図です

by je2luz | 2009-07-31 10:44 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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