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LUZの熊野古道案内

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2019年 09月 21日

理想と現実 RDF 

 三重県のRDF発電は北川知事が「夢のエネルギー」という事で建設に踏み切ったものです。
 大都市ならゴミを直に燃やしてその熱で発電できますから,あちこちで稼働しています。
 これも色んな問題がありますが、ゴミの量が確保できれば動かせます。
 三重県は四日市のような大都市もありますが、広い県土に中小の自治体が散らばっています。
 中心部の松阪まででも紀宝町から130Kmほどあるでしょうね。
 生ゴミ・可燃ごみと集めるには遠すぎますね。
 2t車のパッカー車などで走ったのでは時間・コストがものすごく掛かります。
 それでは、「ごみ発電」など出来ません。
 運ぶゴミも水分と空気が多いし、発熱量も安定しません。

 と、言うことで、「ゴミを乾燥させ、圧縮して大きめの顆粒状にした「ゴミペレット」を作ればカザも減るし軽くなるし匂いも軽減され運搬コストも下がる」ということになったのです。
 まあ、このペレットを作る工場も金がかかりますけど、ゴミを燃やした熱で発電すれば、無駄に地球を温めるより「エコ」ですよね。
 この辺では前の記事にあるように、南牟婁郡の御浜・紀宝・鵜殿・紀和が共同で「ペレット工場」を作り、桑名市に出来た「ごみ固形燃料発電所」に運んでいました。
 三重県の一番南が三重県の一番北まで運ぶということになったので片道200KM程ですね。
 開所した2002年頃に比べれば紀勢自動車道の延伸で距離時間は短縮されましたけど、やっぱり遠いです。
理想と現実 RDF _d0045383_11204746.jpg
 この発電所は稼働してすぐ2003年8月にペレットの貯蔵タンクで火災を起こし消火方法の失敗で爆発事故をお越し2名の犠牲者を出しました。

 理念は良かったのですが、それ以降もコストの上昇などからペレットも持ち込み料を値上げしたりで、参加した自治体を圧迫してきましたし、とうとう。先日閉鎖されました。
 三重県は20年足らずで30億ほどの赤字を抱えたし、プラントの解体費で十数億かかると見込まれています。
 参加した自治体も困ったのですが、参加しなかった町の住民もこの尻拭いをすることになります。
 この、RDF事業って、何処かで計算ミスがあるのでしょうね。

 私はこの「RDF発電」には興味があったのですが。プラントメーカーとかの動きにものすごい利権を感じたり、技術面以外に疑問を感じました。
 熊野が作った焼却炉などでもおかしなカルテル的な動きもありましたけどね。
 で・・・
 タイミング的にこのRDFに乗っからなくて正解でした。
 その炉に寿命が来て次の炉のことで立ち往生気味みたいです。



by je2luz | 2019-09-21 04:25 | 熊野


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